岩手県平泉町 ~ 春の藤原祭り『 源義経公東下り行列 』 ~

5月3日

岩手県平泉町にて春の藤原まつり「源義経公東下り行列」が3日、中尊寺、毛越寺など町中心部でにぎやかに行われました。俳優の中尾明慶さんが演じる源義経公ら総勢約90名が故事を再現する華やかな行列を繰り広げられ、心地よい日が差す祭日和の中、沿道を埋めた約16万6千人の見物客の方々は優雅な時代絵巻を堪能された事でしょう。

春の藤原まつりは5月1日より5日間開催されました。稚児行列や弁慶の力餅つき、小学生の金管バンドによる演奏など、イベントが数多く催されました。中でも東下り行列は、平安時代後期に兄の頼朝に追われて奥州・平泉に逃れてきた義経主従を藤原秀衡が温かく迎え入れたという故事を再現した行列で、今回で47回目になる恒例の行列で全国的にも知られた催事です。

出発前、毛越寺では義経と秀衡公との対面の儀式「義経公ねぎらいの場」が演じられ、藤原氏3代秀衡公と義経公、妻北の方、武蔵坊弁慶が龍頭鷁首(りゅうとうげきしゅ)の小舟に乗って大泉が池を一周。中島では重要無形民俗文化財「毛越寺の延年(延年の舞)」が舞われ、優雅さを演出されていました。

本行列の一行は午後1時半に花火の合図と共に毛越寺を出発。白馬に乗った義経公、牛車に乗った秀衡公や北の方、山伏姿の弁慶や騎馬武者、優雅な袿姿の侍女等が中尊寺金色堂までの約4キロの道のりを汗ばむ陽気の中、約一時間半かけてゆっくりと練り歩かれました。

金色堂はじめ3000余点の国宝・重要文化財を伝える中尊寺の本道へ上る月見坂に差し掛かった一行は一旦停止。月見坂は牛車を人力で後ろから押さないと進まないような坂なので掛け声を掛け合いながら数名で押していらっしゃいました。その風景もまた藤原まつり・東下り行列の見所でもあるようでカメラを持った見物客の方々が一斉にシャッターを切っていらっしゃいました。