鳥取県東伯郡三朝町 三徳山御幸行列『三徳山開山千三百年祭結願法要』

平成23年4月24日(日)

平成18年に復活した御幸行列が4月24日に三徳山三佛寺で開催されました。総勢160人もの列が三徳山の開山1300年を記念すると共に、三朝温泉大回りとして三徳山世界文化遺産登録運動の中で、緩衝地帯となる小鹿地区まで回る「大回り」という形を初めて取られました。

御幸行列は旧暦3月18日の春季法要(権現祭)で神様が御輿に乗って境内から外に出て多くの人にご利益を授けて廻る神事で室町時代から続いた古式ゆかしい行列です。2基の御輿をはじめ総勢160名余りで行う荘厳で霊験あらたかな行列となっています。
平成18年4月の開闢法要から始まり、平成23年4月の結願法要までの5年間を三徳山開山千三百年祭と位置付け、事業の一環として重要文化財でもある三佛寺奥院国宝投入堂を始め、鳥取県保護文化財でもある本堂の解体修理など、平成の大修理と題し三徳山内諸堂修復工事を行なってこられました。

三佛寺本堂修復落慶記念としてこの度修復が終了した三佛寺本堂の御本尊として安置される阿弥陀如来立像が三徳山史上初の特別公開され、厳かにご尊顔とお姿を拝見する事ができました。また、法要が執り行われた後に宝物館前ではお祝いの紅白餅の散餅式も行われました。

御幸行列は神事が執り行われたあと、ホラ貝の合図で三仏寺を出立、2基の御輿と甲冑を身にまとった護衛役など華やかな衣裳の行列に多くの観客が歓声を上げて見守っていらっしゃいました。

三仏寺を出発した行列は比叡山から分灯された不滅の法燈、金剛蔵王大権現が乗ってお出ましになるという一角神獣、榊神輿、子どもを守り子宝にも恵まれると伝わる子守権現の神輿などが続きます。智慧の神様で学業成就・合格祈願にご利益がある勝手権現神輿など非常に重い神輿が次々と三仏寺の石階段を本堂から県道まで降りていきます。
今年は結願ということもあり、三徳山世界文化遺産登録運動の中で、緩衝地帯となる小鹿地区まで回る「大回り」という形を取られました。小鹿地区にあるバンビセンターが建設30周年という記念の年でもあり、記念事業の一環として初めて取り入れられました。雅楽の奉納や御幸の富(3本の当りくじ抽選)など、例年にない催しとなりました。

小鹿地区より三朝町へ戻った一行には途中可愛い稚児が行列に加わり一層華やかな行列となりました。行列のほかにも「行者太鼓」の奉納などがあり、多くの観光客も勇壮な太鼓に満足されている様子でした。
休憩が終わり、再出発した一行は三朝町へ戻ります。御影石でつくられた三朝温泉のシンボル的存在で「文化庁の登録文化財」となっている、三朝大橋を渡り、いよいよ行列も終わりに。ゴール地点のキュリー広場ではかがり火と太鼓に迎えられて、行列が終了します。

また、今回は通常であれば、神輿や三佛寺へのお供え、お賽銭は、御幸行列の収入として、経費に充当されるのですが、今回は大震災の義援金にすることを提案され、行列の後ろに義援金箱を持って随行され、ハンドマイクでその趣旨を呼びかけながらお願いして回っていらっしゃいました。

三徳山御幸行列 三徳山御幸行列
三徳山御幸行列 三徳山御幸行列
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