京都府京都市 祇園祭 万燈会・神輿洗式

平成23年7月10日(日)

祇園祭とは日本三大祭の一つで、千百年の伝統を有する八坂神社の祭礼で、毎年7月1日の「吉符入」にはじまり、31日の境内摂社「疫神社夏越祭」で幕を閉じるまでの1カ月間、京都市内の中心部や八坂神社で行われる豪壮かつ華麗なお祭りです。
古くは、祇園御霊会(ごりょうえ)と呼ばれ、貞観11年(869)に京の都をはじめ日本各地に疫病が流行したとき、平安京の広大な庭園であった神泉苑に、当時の国の数66ヶ国にちなんで66本の鉾を立て、祇園の神を祀り、さらに神輿を送って、災厄の除去を祈ったことにはじまります。
クライマックスの山鉾巡行と神幸祭(いずれも17日)をはじめ、1ヶ月を通じて多彩な祭事が繰り広げられます。

『蘇民将来子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)』

八坂神社御祭神、スサノヲノミコト(素戔鳴尊)の故事にちなみ、祇園祭では、「蘇民将来子孫也」の護符を身につけて祭りに参加されます。
神輿洗式の神輿を迎える祇園万灯会のお迎提灯行列が祇園囃子や提灯の行列に参加された方々もこの護符を装束に付けて参加されました。

晴天に恵まれた10日、まだまだ太陽が高い午後4時30分に太鼓を先頭にそれぞれの提灯を掲げ、八坂神社から京都市役所へ一行が出発します。途中、信号待ちなどで行列がストップするたびに脇に控えた御父兄の方々が水やミネラルウォーターを参加されている子供さんたちに飲ませ水分を取らせていらっしゃる姿をよく見かけました。祇園囃子を奏でる楽師の方々や、提灯、幟を掲げた方々もユカタ姿でも汗びっしょりでみなさん所々で休憩を取っていらっしゃいました。

市役所前まで到着した一行は子ども達による鷺踊や小町踊りなどの踊を披露した後、休憩があり、ほっと一息。日も沈んであたりが暗くなり始めたころに八坂神社に戻るために改めて出発します。このころには全員に手渡された提灯に灯りがともされ、雰囲気が一変します。その後、お迎え提灯の一行とお清めの大松明は八坂神社前ですれ違います。

午後6時、今度は神輿洗いの神事が四条大橋の上でとり行われました。4メートルもの大松明で清められた道を、列の前後を松明で照らした中御座1基が約150名の担ぎ手に担がれ四条大橋に渡ります。そして午前中に鴨川から汲み上げ、お祓いをすませた神事用水を、神官が榊の枝に含ませて神輿に注ぎ清めます。この時の神輿を洗う神水を浴びると、無病息災厄除けになると信じられていて、この水にかかって厄よけしたいと、見物客の方々が神輿を幾重にも取り囲み、橋の上は熱気に包まれていました。

神輿洗いの神事が行われた後の神輿が八坂神社に戻ってくるのは午後8時を過ぎます。その頃、八坂神社にていったん休憩をすませた児武者、鷺舞、小町踊りの子供さん達が祇園石段下にて神輿洗の神輿を迎えるために灯りをつけた提灯を手に待機します。神輿は神社の前で『 ホイット、ホイット 』の掛け声と共に大きく一周し、八坂神社境内に戻ってきます。境内ではお迎え提灯を終えた鷺の舞と小町踊り、万灯踊りの奉納が行われ、盛大な拍手が起こっていました。

祇園祭は17日の山鉾巡行がメインとなりますが、10日の神輿洗、3基の神輿の八坂神社から御旅所へ御旅所から再び八坂神社へ戻る神幸祭(17日午後)と還幸祭(25日午後)はそれに関わる大切な神事として町衆のパワーを感じられる見所満載の迫真の祭だと思います。

祇園祭 万燈会・神輿洗式 祇園祭 万燈会・神輿洗式
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