奈良県奈良市 采女まつり

平成23年9月12日(月)

中秋の名月の日の9月12日、JR奈良駅から猿沢池にかけて練り歩く采女祭(うねめまつり)が行われました。
「采女まつり」は猿沢池のほとりに建つ采女神社にまつわる伝説を基にしたお祭りです。昔、奈良の帝に寵愛を受けていた大変美しかった采女が、いつしか心変わりをした帝を嘆いて、猿沢池に身を投げて自らの命を絶ちました。人々は采女の霊を慰めるために、猿沢池のほとりに社を建てたのですが、身を投げた池を見るにしのびず一夜にして後ろ向きになったとされています。

采女は福島県の安積(あさか)の里(現在郡山)出身でもあったようですが、福島県郡山市にも采女神社があり、別の采女伝説があります。采女伝説など共通点があることから奈良市と福島県郡山市は姉妹都市となっており、郡山市関係者も多数お祭りに出席されていました。

夕方、JR奈良駅前から猿沢池のほとりに建つ采女神社まで1kmを約一時間ほどかけて歩く『花扇奉納行列』が行われこの祭りがスタートしました。沿道に集まった観光客の方々は笑顔で行列をされているミス采女達にカメラを向け、写真を収めていらっしゃいました。

花扇とは秋の七草で美しく飾られた高さ2mほどの物で、采女祭で用いられている扇です。このことから「采女まつり」の事を別名「花扇祭」とも呼ばれ、牛車に乗せ人がゆっくり引っ張ります。
また稚児達の行列や、御所車に乗った平安朝の装束をまとった花扇使、姉妹都市 福島県郡山市から参加してもらっているミスうねめ、ミス奈良などが天平衣装まとい練り歩きました。

お稚児さんは慣れない衣裳で歩きにくいのか笑顔は少なかったのですが、お母さんに手を引かれた可愛らしい姿に周りの方から「かわいい〜」と声が上がっていました。

午後6時から春日大社神官による厳かな神事の後、花扇が奉納されます。
そして午後7時、南都楽所の奏する雅楽が流れるなか、龍頭鷁首船出発します。花扇をはじめ、花扇使・ミスうねめ・ミス奈良を乗せた2隻の管絃船松明の煙が水面をはうように流れるのが幻想的で、猿沢池に浮かぶ40余りの流し灯籠の間をぬって池をめぐり、最後には花扇を池中に投じる雅やかな行事となりました。

花扇はこのあと采女神社に飾られ、一般に見学することができます。普段、采女神社は閉じているのでお参りできません。えんむすびの神様なのでこの時にお参りをする方で行列ができます。あと隣の売店では、このときだけ販売している糸占いというのがありました。月明かりの元で紅い糸を針に通すと願が成就する言われていますが意外と暗いので難しかったりもしました。
この日は天候に恵まれたので、猿沢池に落ちそうになるくらい多くの観光客が祭りを楽しんでいらっしゃいました。

采女まつり 采女まつり
采女まつり 采女まつり
采女まつり 采女まつり
采女まつり 采女まつり
采女まつり 采女まつり